やわらかキャリコン

やわらかい言葉でキャリコンの勉強をしよう。

オペラント条件づけとそれを利用した訓練法

オペラント条件づけとは

オペラント条件づけとは、報酬や罰に適応して、自発的に行動するように学習すること。教育測定運動の父と言われるソーンダイクの実験に端を発している。その実験とは、空腹の犬を檻に入れて、偶然ボタンを押すと、扉が開いて外に出られる、という経験をさせる。これを何度か繰り返すと、ボタンを押して外に出るという行為を覚えさせることができる。つまり、自発的に行動を行なうことで何かしらの結果が変わることを覚えさせると、その行動頻度が増える。

 

シェイピング法

オペラント条件づけを利用した訓練法のひとつ。大きな目標を立て、その達成に至る道筋にスモールステップを設けて、簡単なものから教育・学習していくというもの。じょじょに難しい技を覚えさせていくゲームのチュートリアルに似ているかもしれない。

 

トークン・エコノミー法

オペラント条件づけを利用した訓練法のひとつ。目標のために必要な行動を増やすために、その行動を行なうと報酬の引換券(トークン)がもらえるというもの。RPGにおいて、冒険と戦闘をさせるために経験値とお金がもらえるという仕組みと似ているかもしれない。

 

 

レスポンデント条件づけとそれを利用した訓練法

レスポンデント条件づけとは

パブロフが犬を使った実験が有名。本来無関係なはずの唾液の分泌とベルの音が新しいつながりが生まれた。不安や恐怖は、この条件づけによって強まっていくことが多い。それはつまり、この仕組みを使って制止することも可能なくらい、作りやすく強い力を生むものでもある。

 

系統的脱感作法

こういう系統のことが起こりそうになったら、それが起こりにくい状況を作り出して脱感する作戦。これは、行動療法における「逆制止の原理」に基づいている。逆制止の原理とは、不安や恐怖を感じているとリラックスできないが、リラックスしていると不安や恐怖は感じにくい。このように両立しにくい反応を用いて、不安や恐怖を弱めていこうというもの。

 

主張訓練法(アサーション

対人関係に不安がある、自分を表現するのに臆病、自己主張が強すぎるなど、一般的な主張ができるようになるための訓練のこと。まずは、人がいる場所での過度な不安からくる不安適応状態なのか、社会人としてのスキル欠如により表に出づらくなっているのかを判断。その内容に合わせて、原因解決のためのトレーニングを行なう。

 

嫌悪療法

好ましくない行動を抑止するために、その行動と嫌悪刺激の条件づけを行なう治療法のこと。分かりやすい例をあげると、アルコール依存症の患者に抗酒剤(お酒を飲むと気分が悪くなる薬)を用いるといったこと。

 

 

エリスの論理療法

論理療法とは

論理的思考を重視し、カウンセラーがクライアントに積極的に関与することで短期治療を目指す心理療法のこと。

 

分かりやすくいうと、起きてしまった事実は、個人の解釈によって捉え方が変わる。悪い結果につながる悪い思い込み(イラショナル・ビリーフ)は論駁(ろんぱく)して、別の結果につなげていく……という治療方法と考えると分かりやすい。

 

なぜ短期治療を目指したのか

従来の治療に長い時間がかかる心理療法に疑問を感じていたから。エリスは哲学からヒントを得てABCDE理論を生み出した。エリスがリスペクトしていたのは、ストア派エピクテートス。「人は物自体に困惑するのではなく、それをどう見るかによって困惑させられるのだ(見る人の捉え方に問題がある)」をヒントにした。

 

ABCDE理論

・A Activating Event(起きてしまった出来事

・B Beliefs(悪い思い込み)

・C Consequence(結果)

・D Dispute(論駁)

・E Effect(効果)

 

<覚えかた>

A あ、やばいことが起きてしまいましたね

B びっくりしたかもしれないですけど気にしなくていいです

C 超つらいかもしれないですけど、それってあなたの感想ですよね

D でも、こういう考え方もできると思うんすよ

E えー、いい感じに終わるならそれで良くないですか

 

 

行動療法について

行動療法について

行動療法は、クライアントが現在抱えている行動上の問題(恐怖症、習癖)に焦点を当てて、それらの問題は、「その場面に対して、何らかの原因で、不適切な反応(感情や行動)を結びつけてしまっていることによって、習慣化してしまったこと」によるものか、「その場面に対して、適切な反応(感情や行動)をまだ習得していないこと」によって起きているという考えが前提にあります。

 

行動療法では、クライエントとセラピストが共同して行動面での治療目標を立て、さまざまな技法を用いて不適切な反応を修正します。たとえば、楽しい雰囲気の中で、スモールステップで、徐々に恐怖対象に近づき、慣れるようにさせたり、賞賛やごほうび等を用いて、新しく適切な反応(感情や行動)を習得させていくといった感じです。

 

行動療法は、言葉が使用できない発達段階にある乳幼児や障害児者から、通常の発達過程にあるあらゆる年齢層のクライアントを対象にできるメリットが特徴的です。

 

 

ロジャーズの来談者中心療法

来談者中心療法とは

ロジャーズらによって展開されたカウンセリング理論のこと。特徴は、カウンセリングと心理療法を用いて、指示するのではなく、相手の言いたいことを受け入れる、聞いた内容を聞き返して相手を理解するところ。非指示的カウンセリングと当初は謳っていたが「非指示的」という言葉が誤解を生じさせるため、来談者中心療法という名称に変更した。

 

カウンセラーの三条件

①クライアントの内面世界の共感的理解

 ⇒クライアントのことをなるべく深く分かろうとする姿勢。

②カウンセラーとの自己一致

 ⇒仕事用の自分を作らない。

③無条件の肯定的配慮

 ⇒とりあえず、クライアントの意見を受け入れる。

 

ロジャーズの考える人間観

人間は、気持ちがきちんと乗れば、頑張ってなりたい自分になろうという気持ちが動く生き物。もともと、自分を維持し、成長させていこうという気質がある。人間は、自分の感情や経験を自由に表現し、それを確かめたい気質がある。自分の経験や感情を思い起こさせてくれる人と関係を結びたいと考えている。人間は、感情や経験がアイデンティティの基盤になった時に、自己実現を目指して頑張れる。

 

カウンセリングで気をつけるべきこと

①「今、ここ」に集中させる。

②想像や知的理解ではなく、「現実」を見させる。

③「自己」「自分自身の価値」に気づかせる。

④自分の感情・思考・行動に責任を持つ。

⑤クライアントとの一対一の人間関係の質を高める。

 

自己不一致

自己概念と一致しない経験は、経験していても無視していたり、ありのままに受け入れられなかったりする。この状態では、自分の本当の経験に対して嫌悪や拒否を示し、自己概念が脅かされて混乱する。そのため、思い込みや決めつけを整理してあげることが大事。

 

カウンセリングの目標

自己不一致の状態にあるクライアントに対して、ありのままで良いと思える状態にすること。自己一致状態にすること。

 

建設的カウンセリング関係の条件

①カウンセラーとクライアントが心理的接触を持っていること。

②クライアントが自己不一致の状態にあること。

③カウンセラーはその役割をクライアントに認められていること。

④カウンセラーはクライアントを無条件に受け止める経験をしていること。

⑤カウンセラーはクライアントのことを理解したことを伝えようとしていること。

⑥カウンセラーの受け止めようとする姿勢と分かろうとする姿勢がクライアントに伝わっていること。

 

積極的傾聴

・単純な受容(うなづき、相づち)

・再陳述(まとめて聞き返す)

・感情の反射(感情をそのまま言葉にする)

・明確化(感情を言語化する)

 

<覚えかた>

ロジャーズで買いたいものは、共感的理解、自己一致、肯定的配慮

 

 

 

フロイトの精神分析的カウンセリング

フロイト精神分析的カウンセリングとは

フロイト精神分析学とその治療法をカウンセリングに応用した理論のこと。精神分析的カウンセリングは、精神分析とは異なる。では、どう違うのかを理解するためにも、精神分析とは何かを知る必要がある。

 

フロイト精神分析の基本

・人間を動かしているのは、意識的な自我ではない。無意識力(エス・イド)だよ。

・無意識力は、心的エネルギー(リビドー)によるもの。

・人間の行動は、無意識エネルギーと意識的な自我(超自我)エネルギーの力関係と観ることができる。

・その力関係は、幼児期の親子関係によって形成される。

 

フロイト精神分析における人間観

人間は本来、動物的本能で、快楽主義に支配されている。人間はこれまで育ってきた中で得てきたものに左右されるもの。

 

パーソナリティ論 局所論

人間が意識しているのは、全体のほんの一部でしかなく、奥底に無意識の領域が広がっている、という仮説に基づいて、心の構造を3つの領域に分けた。これは、「局所論」と呼ばれている。

 

・意識……認識できている心の上部

・前意識…認識されていないが努力によって認識できる中庸部

・無意識…自覚されていない心の動きや抑圧されて意識化されにくい深層部

 

超自我…幼少期に受けた両親のしつけが、こころの中に取り入れられてできた領域のこと。イドや自我の見張り役。

・抑圧されたもの…コンプレックスのもととなり、理由のない不安や強迫症、麻痺などの多様な神経症の原因になる。

 

パーソナリティ論 構造論

心的エネルギーは、エス(イド)・自我・超自我の3つを動かすエネルギー。その調和が保たれている時、環境への適応がスムーズ。

 

エス(イド)……快楽原則に則って動く本能や欲求。無意識の奥で刷な敵であり、非論理的であり非社会的なもの。

・自我(エゴ)……エス(イド)と超自我と現実の間で、現実原則にのもと現実と調和を図る。

超自我……・超自我…幼少期に受けた両親のしつけが、こころの中に取り入れられてできた領域のこと。イドや自我の見張り役。価値観。

 

発達理論(リビドー発達理論)

フロイトは、過去の親子関係が心理的問題発生のもとになっていると考えた。リビドーは、発達時期に応じてそれぞれの身体各部分で満足できることで健康なパーソナリティが形成される。満足できなかった時には、固着が生じて独特な性格が生まれてしまうと考えた。

 

・口唇期…授乳期。欲しいときに満たされているとおっとり、愛情不足だとせっかち・甘えん坊、愛情かただと自己中心的。

・肛門期…排泄のしつけ。しつけが甘いと金銭や時間にルーズ、厳しすぎると几帳面だが創造性が欠乏。

・男根期…威勢の親に愛情を持つ。

・潜伏期…この時期に、規範・社会の認識・学習の学ぶ。

・性器期…円滑にリビドーの発達を経過した人は、自然と威勢との付き合いができ、性愛感情を満たせる。

 

病理論

過去の不快なケガや願望や情動が、無意識領域に押しとどめられて発散されずにいると、人間は適応できない状態に陥る。不適切な防衛機制が頻繁に働くと、病気や問題行動が発生する。

 

カウンセリングの定義(國分康孝)

カウンセリング辞典に書かれている定義

カウンセリングとは、言葉と言葉以外のコミュニケーションを通して、健常者の行動変容を試みる人間関係である。

 

健常者とは

現実原則に従いつつ快楽主義を満たしている状態の人。快楽主義とは、自己の快楽を追求して苦痛を避けることが善とする考え。成長・向上が期待されている状態の人ともいえる。

 

人間関係とは

クライアントの本心は、言葉だけではなく、表情や態度に表れやすい。だからこそ、カウンセラーはそれを注意して気がつき、受け止める必要がある。このような対話が可能になるためには、カウンセラーとクライアントの間にあたたかい信頼関係が必要になる。

 

信頼関係に必要なもの

・一方通行ではなく、相手の話をよく聞いて話せる

・お互いに信頼がある

・カウンセラーは、時にはクライアントのために厳しいことも言う

・クライアントはカウンセラーに甘えと尊敬がある

 

カウンセリングの効果と技法

(1)認知の変化(考えかたや期待するものや意志が変わる)

(2)情動の変化(物事に対してどう感じるかが変わる)

(3)行動の変化(やることが変わる)

(4)心理の変化(なんか元気になる)