レビンソンの人生の四季
人生の四季とは
レビンソンは、ユングの理論をもとに人生の発達段階・ライフサイクルを四季になぞらえ、4つの発達期があるとして、「人生の四季」と名付けた。
00歳~17歳 児童と成年期
<成人への過渡期>
17歳~28歳 大人に入る時期
28歳~33歳 30歳の過渡期
33歳~40歳 一家を支える時期
<人生半ばの過渡期>
40歳~50歳 中年に入る時期
50歳~55歳 50歳の過渡期
55歳~60歳 中年の最盛期
<老年の過渡期>
60歳~ 老年期
人生半ばの過渡期の主要課題
本当の自分らしさの探索を通じて、新の自己との折り合いをつけるタイミング。自分の中と外の世界でさまざまな葛藤が生じる時期であり、大なり小なり危機が伴う。仕事では役職に関するキャリアプラトー現象(キャリア停滞)への対応が必要となる。
・若さと負い
・破壊と創造
・男らしさと女らしさ
・愛着と分離
<覚えかた>
レビンソン・クルーソーは自分探しの冒険家。人生半ばの過渡期が一番の山場キャリアプラトーをどう乗り越えるかがカギ。
ブライアとブライトのキャリア・カオス理論
キャリア・カオス理論とは
キャリアは「偶然によって左右される」という考え方が根底にある。これを「開かれた思考」と呼ぶ。開かれた思考を持つ人間は、未来は人間の力でコントロールできないという考えがあり、なるようにしかならないからその場その場で対処するというスタンスになる。反対に、不測の事態は行ないと期待してしまうのが、「閉じられた思考」。
キャリア・カオス理論をどうやってキャリア生計に活かしていくためのヒントは、次の6つの心構えがキモになる。
①複雑
人生において偶発的に起こる出来事がキャリアに与える影響力は大きい。その仕組みを紐解いても意味がない。むしろ、何がどう影響したかを知るほうが大事。
②創発性
いままで存在していなかったモノがワープして突然現れて影響を与える。
③非線形
キャリアに影響を与える出来事の影響は、比例関係にあるような動きにはならない。
④非予測性
基本的に予測はできないと考える。
⑤フェイズ・シフト
急激な変化を経験することがあり得る。
⑥アトラクタ
個人的に惹きつけられるコト・モノが、何かを引き寄せることになり得る。
<覚えかた>
ブライアとブライトはなかなか本質をついたキャリア・カオス理論を考えた。
ハンセンの統合的生涯設計
統合的生涯設計とは
インテグレーション・ライフ・プランニングのことで「ILP」と略される。ハンセンは、キャリア発達は、「個としての自分」と「社会の流れ」との相互作用によって行われると考え、個人の能力や素養だけの職業選択ではなく、社会で生きていくその人の人生そのものを視野に入れて考えていこうと説いた。
ハンセンの4つの要素(4L)
・愛(Love)一番上
・労働(Lavor)一番下
・学習(Learning)縦
・余暇(Leisure)真ん中
ハンセンの6つの課題
長い人生で仕事とのいい関係を築いていくには、次の6つの視点が大事だよって話。ハンセンはキャリアはいろんなものに関わって螺旋状に発達していくと考えた。
①グローバルな視点で必要な仕事を探す
②自分の人生に必要なものを組み合わせ、パッチワークのように作っていく
③男女の共同・共生を目指す
④多様性を活かす
⑤仕事に精神的意義を見出す
⑥個人の転機と組織の変革に対処する
<覚えかた>
ハンセンの必殺技はILP、4L、人間パッチワーク。だが戦いかたには6つの課題がある。
シャインのキャリア・アンカーとキャリア・サイクル
シャインの組織内キャリア発達論
シャインは、組織におけるキャリア開発に焦点をあてて、組織内キャリア発達論を提唱した。具体的には、内的キャリアと外的キャリアが存在し、内的キャリアは外的キャリアの基礎となるものとして考える。
◎内的キャリア
仕事人生の中での自分の歩みや動きについての自分なりの意味付け・価値観
◎外的キャリア
経験した仕事の内容や実績、組織内での評価
3つのサイクル
シャインは、人が生きていくためには3つのサイクルが存在すると語った。
・生物学的・社会的サイクル
・家族関係のサイクル
・キャリア形成のサイクル
キャリア・サイクル
①成長・探索・探求
⇒職業選択のための準備をする段階
②仕事世界へのエントリー
⇒初めて組織に入り、仕事に就く段階
③基本訓練
⇒少しずつ仕事に慣れていく段階
④キャリア初期
⇒責任ある仕事を任されていく段階
⑤キャリア中期
⇒組織内での立ち位置が分かってくる段階
⑥キャリア中期の危機
⇒自分の価値観や能力が分かり、葛藤が生まれる段階
⑦キャリア後期
⇒後輩育成など指導者として活躍する段階
⑧衰退・離脱
⇒能力のミスマッチや体力・影響力の衰えを受け入れる段階
⑨引退
⇒後進に道を譲る段階
キャリア・コーン
組織を三次元構造で表現したもの。
縦軸が組織の職位や階層、円形の水平面は職能利用息、横軸は中心に向かうほど組織内での重要性が高まってくる。組織内での自分の現在位置を把握するため、考えていくために使うものかも。
キャリア・アンカー
人間はキャリアと向き合ったときに、なかなか手放さないものが存在する。それは、船における錨(アンカー)のようなもので、それを中心にグルグルと動いて悩み、考えていく感じ。以下の8つのことがキャリア・アンカーになりやすい。
①自分の専門生や技術を高めたい(専門・職種別コンピエンス)
②組織の中で重要な役割を得たい(全般管理コンピエンス)
③独立したい(自律・独立)
④ここでがんばっていきたい(保証・安定)
⑤新しいことに挑戦したい(起業家的創造性)
⑥社会に貢献したい(奉仕・社会献身)
⑦解決困難な問題に取り組みたい(挑戦)
⑧仕事とプライベートを両立したい(生活様式)
<覚えかた>
シャイン(社員)だけに組織のことが中心。組織内キャリア発達論とか。キャリア・コーンとか。キャリア・アンカーとか。
ホールのプロティアン・キャリア
プロティアン・キャリアとは
キャリアは生涯を通じた、経験・スキル・学習・転機・アイデンティティの変化の連続のこと。変化の激しい現在では、依存的でも独立的でもない、相互依存的な人間関係の中で学び続けることで「変幻自在なキャリア(プロティアンキャリア) 」 を築いていけるという考え。
ホールによるキャリアの定義
(1)昇進とは、成功や失敗を意味するものではない。早い・遅いを意味するものでもない。
(2)専門職とは、成功や失敗は本人が評価するもの。他者が評価するものではない。
(3)職務の連続とは、主観的なキャリアと客観的なキャリアの両方を意識することが大事。
(4)役割経験の連続とは、プロセスであり、仕事経験の連続。
プロティアンキャリアと伝統的なキャリアの比較
主体者:個人/組織
価値観:自由、成長/昇進、権力
移動 :高い/低い
パフォーマンス:心理的成功/地位、給与
態度:仕事満足、専門的コミットメント/組織コミットメント
アイデンティティ:自尊心、自分への気づき/他社からの尊敬、組織の気づき
アダプタビリティ:仕事の柔軟性、現在のコンピテンシー/組織の柔軟性
2つのメタ・コンピテンシー
・アイデンティティ(価値観、自我同一性)
・アダプタビリティ(適応コンピタンス×適応モチベーション)
<覚えかた>
ホールでプロティアン・キャリアの講演会。来場人数よりも自己満足が大事。