サビカスのキャリア構築理論
キャリア構築理論とは
「職業的パーソナリティ」と「キャリアアダプタビリティ」と「ライフテーマ」の3つが重要な概念として挙げられている。
職業的パーソナリティとは
個人のキャリアに関連する能力・価値観・関心のこと。特性因子論と似ているがチト違う。特定因子論が「人と環境の適合」の概念だとすると、職業的パーソナリティは「当てはまりそうな手がかり」。人間は解釈によって変化していくものなので、特性因子論のように決め打ちするものではなく、こういう方向性も可能性の一つとして考える仮説みたいなもの。
キャリアアダプタビリティとは
個人を取り巻く環境の変化に対応する準備できている状態のこと。端的に言えば、何が起きてもキャリア的に対応できる姿勢と力。これを高めるためには下記の4次元が求められる。
関心(未来に向いて考えられるか)
統制(自分の未来は自分の責任という姿勢)
好奇心(自分はどうしたいのか)
自信(自分ならできる)
※かとうこうじと覚える!
ライフテーマとは
自分のキャリアの動機付けに使える、一貫性のあるテーマみたいなもの。「なぜ、その仕事に就くのか」という問いかけの答えになるもの。
キャリアストーリーとは
個人が直面した発達課題やトランジションについて語るもの。ライフテーマはキャリアストーリーの中で語られる。ライフテーマを明らかにするために、キャリア構築インタビューを用いる。
キャリア構築インタビューとは
自分のこれまでのことを語ることで「物語的真実」を形成する。これによつて柔軟性があり、一貫性のあるストーリーが作られる。
<5つの質問>
・尊敬している人
・よく読む雑誌と、よく観るテレビ番組
・好きな本
・好きなことわざとモットー
・一番最初の思い出
<覚えかた>
サビカスって古い喫茶店。職業的パーソナリティがいて、電気系統のアダプタビリティが危険で、ライフテーマを考えてしまうお店。かとうこうじもよく来る。
スーパーのライフ・スパン/ライフ・スペース理論的アプローチ
スーパーの特長
特性因子論と自己概念理論を統合させて、職業について思い描いたり思い出したりして、自己概念が形成されていくプロセスがキャリアの発達だと考えた。
スーパーの基本的な考え
(1)人間はさまざまな可能性を持っており、さまざまな職業を選択することができる。
(2)職業について自分が望むものややりたいことが変わっていくのは、自分の成長の一つの側面であり、知的・情緒的・社会的な成長と同じ原則に基づく。
(3)キャリアの発達過程は、仕事を通じて自分とはこうあるべきというイメージを形成していく流れであり、それは漸進的であり、継続的であり、進んでいくものだ。
自己概念とは
自己概念とは、「自分とは何者なのか」「自分自身をどう考えているのか」という主観的自己と、「他人から言われて気がついた自分とはこういう人間なんだ」という客観的自己が統合されたもの。分かりやすく言うと、「自分が思う自分」と「他人が思っているでろあろう自分」のハイブリッド。
肯定的自己概念
自分の好きなこと・得意なこと。行動しやすく適応も早い。
否定的自己概念
イヤなこと・苦手なこと。消極的で意欲も低い。
キャリア・デベロップメント
スーパーは、職業は自己概念を発展させるために存在すると言っている。
キャリア・アダプタビリティ
成人期以降の、個別性が強く、多様な方向性を持つキャリア成熟の概念のこと。時代や環境の変化に合わせて適応するスキルのこと。
14の命題
(01)人間は、それぞれのパーソナリティの側面や能力に違いがある。
(02)人間はそれぞれに違いがあるからこそ、いろいろな職業への適性がある。
(03)それぞれの職業には、必要とされる能力や活かせる個性がある。
(04)どんな職業がやりたいか、合っているかは、時間や経験と共に変化していく。
(05)自己概念が変化していくプロセスをマキシサイクルと言い、成長、探索、確立、維持、解放(衰退)。次のステージに移行するときに、新成長、新探索、新確立というミニ・サイクルが起きる。また、いろいろなことで個人のキャリアが不安定になるときに、新成長、再探索、再確立というリサイクルが生まれる。
(06)どんな仕事も、関わった順序・頻度・時間によって成熟度がある。これをキャリア・パターンという。
(07)どんなライフステージにおいても、環境と個体の要求に上手く合わせるには、自分のキャリアの実力値が関わってくる。
(08)キャリア成熟は、心理社会的構成概念であり、成長、探索、確立、維持、解放の職業的発達を意味する。
(09)ライフステージの各段階を通しての発達は、端的に言えば能力・興味・行動を成熟させること。
(10)キャリアの発達とは、職業的自己概念を発展させて実現していくプロセスのこと。
(11)個人が原因のこと、社会が原因のことでことが起きる自己概念と現実における統合と妥協は、役割を演じてフィードバックを受けることで形成される。
(12)仕事の満足や生活の満足は、パーソナリティ特性や自己概念を適切に表現する場を見つけられるかに関わってくる。
(13)仕事の満足は、自己概念を具現化できた程度に比例する。
(14)仕事と職業は、パーソナリティ構成の焦点になる。
ライフキャリア・レインボー
人間は、人生において9つの大きな役割(子ども・学生・余暇人・市民・労働者・配偶者・家庭人・親・年金生活者)を演じている。
アーチ・モデル
左の柱は、パーソナリティ(欲求・知性・価値観・才能・興味・得意な才能)。右の柱は、社会政策(経済・社会・労働市場・コミュニティ・学校・ファミリー・グループ)・アーチ部分は、発達段階⇒役割自己概念⇒自己になる。
<覚えかた>
スーパーは、レインボーなネオンと大きなアーチがあって、大きなサイクル、小さなサイクルが止めてあり、電力が必要なのでアダプターが必要で、背の高いデベロッパーは大変。
ブロンフェンブレナーの相互連結の原則
①マイクロシステム
子どもを取り巻く環境。
②メゾシステム
マイクロシステムの間に相互関係として概念化している。
③エクソシステム
子どもが直接関わりある環境ではないが、マイクロシステムとメゾシステムに影響を与える二次的な環境要因。
④マクロシステム
広い環境。
ホランドの六角形モデル
六角形モデルとは
人の職業興味を6つに分けて、同じく6つの職業分類が分かれているという考え。個人の興味からどういう仕事に向いているかを解釈するのに用いる。
RIASEC(パーソナリティ6つのタイプ)
(R)現実的タイプ(リアリスティック)
物や道具を扱い、秩序や組織的な活動を好む。技術関係の仕事に向いている。
(I)研究的タイプ(インベスティゲイティブ)
数学、物理、生物などに興味があり、好奇心が強く学者肌。物事の分析、意見を明確に表明する。
(A)芸術的タイプ(アーティスティック)
慣習にとらわれず、創造的。繊細で感受性が強く、独創的な発想が得意。創造的な職業を好む。
(S)社会的タイプ(ソーシャル)
対人関係を大切にし、教育、人の援助などの仕事を好む。社会的な活動にも積極的。
(E)企業的タイプ(エンタープライジング)
リーダーシップを取り、目標達成を好む。説得を得意とし、野心的な活動を好む。
(C)慣習タイプ(コンベンショナル)
データなどの情報を体系的にまとめるのが得意。責任感があり、緻密な活動を好む。
6つの環境タイプ
現実的環境 → 具体的な指示に従って組織的に活動することが多い。
研究的環境 → 観察し、組織的・創造的な研究をすることが多い。
芸術的環境 → 非組織的な活動や芸術的な創作活動が多い。
社会的環境 → 支援や教育などの他人への働きかけをすることが多い。
企業的環境 → 目標を達成させるなど、他人への働きかけをする場合が多い。
慣習的環境 → 整理や計画など明確で順序だった仕事が多い。
3レターコード
上位3つのこと。
一貫性
六角形モデルが有効かどうか。六角形モデルを図で示した場合に隣接した3つのタイプが上位にくると一貫性がある。対角線上にくると一貫性がない。3レターコードが対角線上にきていた場合は、その人が職業選択以外にも悩みを抱えており、自身の純粋な職業興味を選択できていない可能性を示している。
分化
検査を受けた人のパーソナリティの発達度のこと。例えば、特定のタイプの数値が高く、他のタイプの数値が低い状態を分化しているといえる。逆に、全てのタイプのパーソナリティの値が高い、もしくは低いと分化していない場合は「未分化」ということになる。
プレディガーの4つのワークタスク
データ⇔アイデア
ヒト⇔モノ
ローの欲求理論的手法
欲求理論的手法とは
ローは、パーソナリティとし苦行選択の関係性を説明した。職業選択に関わる個人の態度・能力・関心などの個人差は、親の養育態度に影響する。さらに、その人の人生で手合う人や物理的環境にも影響される。
①能力、知能、興味、態度といった人間的な特性は遺伝する。
②特別な能力や才能は、心のエネルギーが集約された結果生まれる。
③能力や興味の開花は幼年期の欲求階層説の欲求の満足・不満足の影響を受ける。
④心のエネルギーがどっちに向くかで、職業選択や生活分野は変わる。
⑤無意識な欲求が動機付けの強さを決める。
⑥欲求がすぐに満足されると、その欲求は発展しにくい。
⑦欲求が満たされない場合、高次の欲求は消えてしまうけど、低次の欲求は固執して、他の欲求が生まれにくくなる。
⑧時間をかけて達成した欲求は、無意味な行動を生みやすい。
親の養育態度
◎情緒型
過保護や過剰要求の態度。芸術関係など報酬が良い職業を志向。
◎拒否型
拒否か無関心の態度。人間関係よりもモノ思考。科学・機械を好む。
◎受容型
家族の一員として対等に愛情を受けた態度。バランスが良い。
<覚えかた>
バーロー、マズロー、親の養育が子どもの価値観を作るんだよ。
ギンズバーグのキャリア・デベロップメント理論
ギンズバーグのキャリア・デベロップメント理論とは
特徴は、キャリアを選択することについて「成長する」という観点を取り入れたこと。これまでは、キャリアは発展していくものであり、決まったプロセスがあると考えられていたが、そうではなく、立ち戻ることもあり、成長したことで価値観が変わって選択が変わることもあり得るという考えを提示した。
キャリア・デベロップメントの期間
(1)空早期
(2)試行期(興味・能力・価値・移行)
(3)現実樹(探索・結晶化・特殊化)
職業選択の3つの命題
(1)職業選択は、10年以上もかかる発達的プロセスである。
(2)職業選択のプロセスは非可逆的である。一度ある特定の選択を行なうと、後から変更しにくいものである。
(3)職業選択のプロセスは、個人の欲求と障害となる現実との妥協をもって終わる。
職業選択の3つの命題(修正版)
(1)職業選択のプロセスは、成人前期で終わるわけではない。労働生涯の全期間を通じて存在しつづけるものだ。
(2)職業選択のプロセスは非可逆的と考えていたが、そうでもなかった。
(3)職業選択のプロセスは、個人の欲求と障害となる現実を踏まえたうえでの最適化をもって終わる。
<覚えかた>
銀座のハンバーグ屋(ギンズバーグ)さんは、いろんな仕事に就いて、いろいろ考えて修正してきた結果、今の仕事に落ち着いた。
マーシャの自我同一性地位
自我同一性地位とは
アイデンティティ・ステイタスともいう。マーシャはエリクソンの理論を吟味して、自己同一性を獲得した状態を自我同一性達成状態と考え、この状態のことを地位(ステータス)とし、ステータスは危機(迷い考えているか否か)と自己投入(行動が伴っているか否か)に分けて4つに分類した。
マーシャのアイデンティティ構成プロセス
青年期前期:脱構成化(これまでの経験で小さくまとまらない)
青年期中期:探求と再構築化(いろいろ考えて新しく作る)
青年期後期:強化(自分らしさを自覚していく)
自我同一性地位の4つのステータス
◎自我同一性拡散地位
危機経験がない。自己投入経験もない。自分が何者か考えたこともない。
◎モラトリアム地位
危機の真っ最中。自己投入はこれから行なっていこうとしている。
◎早期完了地位
危機の経験はない。しかし、自分とは何者かはなんとなく分かっていて自己投入経験はある程度ある。
◎自我同一性達成地位
危機は経験している。自己投入も行なっている。
<覚えかた>
アイデンティティ・ステイタス、がんばりマーシャ。危機と自己投入。