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バンデューラの社会的学習理論

社会的学習理論とは

人間は、自分が直接経験したことでなくても、他社の体験を観察・模倣(モデリング)することで学習することができることを説いた理論。カナダのバンデューラによって提唱された。

 

従来の学習理論と異なる点は、これまでの学習理論は「クライアント自身が経験することが大事」と考えられていたが、代表者を観察することでその他多数の人たちに同じことを学ばせることが可能という点が新しかった。

 

「社会的学習」とは、「社会的な場において学べること」と「社会的な行動によって学べること」の二つの意味合いがあり、他人の影響を受けて、日常の習慣や価値観や行動は形作られていくということ。

 

モデリングとは

学習の基本は、マネをすることとよく言われる。子どもは周囲の間ねをしながら育つ。「学ぶ」という言葉も語源は「まねぶ」だと言われている。

子どもにとって生育環境が重要であることを裏付けた、社会的学習理論の有名な実験がある。それが、空気で膨らませたビニールの人形を用いて子どもを対象に行われた「ボボ人形実験」。子どもは三つのグループに分けられた。Aグループでは、大人がボボ人形に対して攻撃的な行動をとっている映像を見せる。Bグループでは、ビデオの中の大人たちはボボ人形への攻撃的な様子は一切見せず、静かに遊ぶ。Cグループには何も見せなかった。

その後、それぞれのグループの子どもたちをボボ人形を含めたさまざまなおもちゃがある部屋に入れて遊ぶ様子を観察。すると、BグループとCグループに比べて、攻撃的な映像を見せられたAグループの子どもたちは、ボボ人形に対して攻撃的な言動を多くとった。

この実験により、人は他者の言動を観察するだけでも学習するという理論が広まり、メディアのあり方にも大きな影響を与えた。社会的学習理論による学習は、良い行動だけでなく、悪い行動も学習されてしまうのだ。

社会的学習理論における一連の学習プロセスは、次の四つに分類できます。

(1)観察対象に注意を向ける(注意)
(2)対象の行動内容を記憶に保持する(保持)
(3)対象の行動を模倣する(運動再生)
(4)行動に対するモチベーションが高まる(動機付け)

このように他者の体験を学習へと結びつけるには、他者の行動に注意を向けて行動内容を記憶し、模倣するといった能動的な行動が必要になる。「もし自分だったら」と、その人の立場で考えることが大切。「環境が人をつくる」と言われるように、周囲にいかに疑似体験できる学びの種があるかが、成長の可能性に大きく影響する。

自己効力感とは

「自分ならできる!」という自信に満ちた感覚のこと。自己効力感は、①遂行行動の達成(やってみて上手くいった成功体験)、②代理経験(字部に近い人が上手くいった様子を見て自分にもできると感じること)、③言語的説得(みんなに言われる経験や自己暗示)、④情動喚起(下手こいた経験で自信を無くす)の4つの情報源で作られるといわれている。

 

機会遭遇理論とは

人がある一つのことを選択できるかどうかは、その機会に出会えるかどうかであるという理論。偶然は予期されずに起こるものだが、いったん起こってしまうと予定されていたことのように、人間の選択行動に影響を与えてしまう。

 

<覚えかた>

モデルのバンデューラは世間知らずだったが、度重なる社会学習によって、自己効力感を注意・保全・運動・動機づける機会に遭遇できた。