やわらかキャリコン

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キャリアカウンセリングの三大源流③ ビアーズによる精神衛生運動

精神衛生運動とは

ビアーズが、自身がうつ病を患って入退院をくり返していた時に見た精神疾患者の扱いを克明に記した闘病記『わが魂にあうまで』を書き、全国精神衛生協会を作ったことで生まれた運動のこと。

 

どんな世界背景だったか

当時、精神疾患のある人たちは異常者扱いをされ、監禁するなどの非人道的な扱いが当たり前だった。しかし、ピアーズは自身がうつ病経験者であったこともあり、うつ病の人が内的世界でどのような体験をしているかを知った。

 

だからこそ、精神疾患を持つ方たちの内的世界を理解することによって、一見すると異常と思える言動も理解可能なものであることが分かった。つまり、異常者ではなく、少し歯車がズレてしまった人たちなのだ。

 

そこでピアーズは、精神病院のクライアントたちの待遇改善運動を始める。監禁などの悪環境では心の改善は望めないからだ。そして、心の不健康の予防、精神的健康維持のための運動も開始する。ピアーズは、精神疾患を持つ人たちの内的世界を援助する形で、心の持ちようを改善できる心理療法を確立する。

 

その後、ロジャ―スが『来談者中心療法』を書く。これまでのカウンセリングは、カウンセラーがクライアントに「こうしなさい」「ああしなさい」と指示する傾向が強かったのではないかと批判。クライアントの成長の力を信じて、その力と決断力を中心に進める来談者中心の方法が良いと主張した。これが、現在のキャリアカウンセリングの基本姿勢となっている。

 

<覚え方>

うつ病になったらビール(ピアーズ)が欠かせない。ロジャーズに買いに行こう。